仕事のどこに「やりがい」を感じるのかは、人それぞれです。パン職人も例外ではなく、お客さんの笑顔だったり、自分だけのパンを追求したりと、さまざまな点にやりがいを感じるものです。そこで今回は、パン職人として働くやりがいや魅力、専門学校に通うメリットを解説します。
パン職人のやりがい
パンを通じてお客さんを笑顔にしたり、まったく新しいパンを生み出したりできるのは、職人ならではの魅力でしょう。ここでは、パン屋・パン職人のやりがいをご紹介します。
パンを通じて人々を笑顔にできる
パン職人は美味しいだけでなく、見栄えも素晴らしいパンを作り、人々に喜びを与えられることにあります。パンを通じて人々を笑顔にできるのは、パン職人の特権といえるでしょう。手作りのパンを手に取ったお客さんから「美味しい」といわれることが、何よりも幸せな瞬間です。
また、パンが自分のイメージ通りに出来上がり、お客さんのもとへ届けられたときには、大きな達成感が得られるでしょう。
自分の店を持てる
独立して自分だけのお店を開けるのも、パン職人の魅力です。菓子製造業許可や飲食店営業許可の資格を取得すれば、基本的には誰でもパン屋を開業できます。
ただし、製パン技術や知識、スタッフをまとめるマネジメント力、現場経験・実績は欠かせません。独立開業に近道はなく、コツコツと修練してはじめて実現するのです。
職人として自分だけのパンを追求できる
パン職人として、自分だけのパンを追求できるのは大きなやりがいです。前提として、パン作りに絶対的な正解はありません。100人のパン職人がいれば、100通りのパンが生み出されます。
たとえば、同じあんパンであっても、味や見た目、製造工程、こだわりポイントが違う100種類のあんパンが作り出されるはずです。それぞれの職人が自分なりの「正解」を追求しているからこそ、多種多様なパンが生まれているのです。このように、自分だけのパンを追求できるのは、パン職人ならではの魅力といえます。
一生涯かけて夢中になれる
パン職人は身体が動く限り、何歳になっても働ける職業です。事実、町のベーカリーなどを覗いてみると、高齢のベテランパン職人を見かけることが少なくありません。一生涯賭けてパン作りに夢中になっている人が、世界中に何人もいるのです。
「仕事=定年まで頑張るもの」という考えは、決して間違っていません。しかし、本当に好きなことは、何歳になっても続けたいものです。一生涯かけて取り組める製パンは、人によってはまぎれもない「天職」といえます。
パン屋で働く魅力とは?働き方で違う「やりがい」
パン職人が活躍する場面は多種多様で、とりわけパン屋が定番の就職先として知られます。ただ、パン屋との関わり方、働き方によって「やりがい」は変わるのです。
たとえば、町のパン屋に就職して、雇われ職人になるとします。雇われ職人の場合、ライフスタイルに合わせた働き方を選べるのが魅力です。
現場ではお客さんとの距離が近く、一人ひとりの笑顔や感謝が直接的なやりがいとなるでしょう。また、自分のアイデアで新商品が誕生することもあり、仕事に対するモチベーションが上がるはずです。
また、同僚である職人と切磋琢磨しあい、腕を磨くのもよいでしょう。いずれは独立開業したり、海外の有名店でさらに修行を積んだりと、キャリアパスもさまざまです。
一方、独立開業して働く場合、雇われ職人とは異なる「やりがい」があります。店主になった後は、理想のパンを追求しながら、店舗経営も行います。責任感が大きい分、仕事一つひとつのやりがいや達成感がさらに大きくなるでしょう。
また、実力によっては若いうちから成功を収めることも可能です。結局は実力主義の世界であるため、秀でた才能を持つ若き職人は、早々に店を構える傾向にあります。それもまた、厳しくもやりがいに溢れた、職人の世界ならではの話です。
パン屋に向いている人の特徴は?
パンが好きであり、自らのアイデアを活用して新商品を開発することへの関心がある方は、パン職人に向いているでしょう。これは雇われ職人・ベーカリーオーナーどちらにおいても重要な資質です。
「一生涯かけて夢中になれる」とお話した通り、パン作りに終わりはありません。理想のパンを追求するには、数え切れないほどの試行錯誤が必要です。そのため、忍耐力や向上心、責任感に自信がある人は、パン職人の適正があるといえます。
また、将来的に独立開業を目指す場合、経営やマネジメントに興味があると有利です。人を雇って経営するわけなので、相応の知識・経験を身につけなければなりません。
製パンを専門学校で学ぶ魅力とは?
パン職人になるために特別な資格は必要ありません。ただ、製パンの基礎知識・スキルは、専門学校などで学ぶのが一般的です。パン職人に必要な知識を身につけたり資格を取得したりした後に、就職して実務経験を積んでいきます。
そもそも、製パンを専門学校で学ぶ魅力とは、一体何なのでしょうか。3つのポイントから解説します。
製パンの基礎を学び、卒業までに習得できる
ひとつ目の魅力は、製パンの基礎をしっかりと身につけられることです。製パンは専門性が高く、独学でプロレベルまで身につけるのは、現実的ではありません。基本的には、専門学校で知識・スキルを学ぶのがベストです。
製パンを学べる教育機関として、製菓専門学校や製パン専門学校が挙げられます。製菓専門学校は洋菓子・和菓子づくりを学べる施設ですが、一部は製パン学科を設置しています。また、製パン専門学校は文字通り、製パンの学習に特化した機関です。いずれも差異はなく、確かな製パン技術を学ぶことができます。
これらの教育機関は製パンだけでなく、食品衛生や栄養学、経営学などの授業も行います。パン職人として生きていくために必要な知識を総合的に学べるのが魅力です。
また、専門学校は多くの卒業生を輩出し、その卒業生が国内外で活躍しています。OBとして来校した卒業生の話を聞く機会があり、いい刺激を受けるでしょう。
さらに日本菓子専門学校のように、業界と太いパイプを持つ教育機関もあります。これらのメリットを考慮すると、製パン専門学校への入学は、パン職人としてのキャリアを築く上で大変有益です。
現場同等の環境で実習を受けられる
2つ目は、現場さながらの実習環境です。製菓専門学校の製パン学科では、現場を想定したパン作りの実習・演習を行います。
上記の通り、現場では複数の職人が連携し、効率よくパンを焼き上げていくものです。チームで協力して製パンの練習することで、コミュニケーション能力や臨機応変な対応力が身につきます。
在学中に就職で有利になる資格を取得できる
3つ目は、在学中にさまざまな資格を取得できることです。専門学校によっては、製パン関連の資格取得を進級条件にしています。一見厳しいように思えますが、それだけしっかりと学ばなければ、職人として生きていくのが難しいのです。
たとえば、パン製造技能士などの資格を取得できると、優れた製パン技術の証明になります。就職活動で有利になるほか、将来的に転職したり、独立したりする際にも役立つでしょう。一生物の国家資格もあるので、時間的な余裕を作りやすい在学中に取得するのが理想です。
人によっては、パン屋などでアルバイトをしながら、製パン関連の資格取得を目指しています。これについては、困難な道のりといわざるを得ません。
たとえば、国家資格であるパン製造技能士は、実務経験が受験資格に設定されています。もっとも簡単な2級で2年以上の実務経験が必要です。そして1級で7年または2年以上の実務経験(2級保持者のみ)、特級においては、1級合格後に5年以上の実務経験が必要とされます。
製菓専門学校などに通っている場合、2級受験に欠かせない2年以上の実務経験が免除されます。卒業時に2級受験資格を取得できるため、上位資格を目指す上で時短になるのです。
資格勉強だけなら、時間さえあれば誰でも取り組めます。しかし、パン製造技能士のように、実務経験を要するものは、独学で取得するのは難しいでしょう。専門学校で基礎を学びつつ、資格取得を目指すのが効率的です。
まとめ
将来的にパン屋で働きたい人、パン職人を目指している人は、あらためて職業としてのやりがいや魅力をチェックしておきましょう。いずれも仕事のモチベーションにつながるため、しっかりと理解しておきたいポイントです。
なお、パン職人を目指すなら専門学校への進学を強くおすすめします。日本菓子専門学校の製パン技術学科では、充実した実習とカリキュラム、プロ仕様の調理器具を用いることで、質の高い学習環境を整備しています。本気でパン職人になりたいなら、ぜひ日本菓子専門学校のオープンキャンパスに足を運んでみてください。
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