パン職人と資格の基礎知識|国家資格・民間資格を徹底解説します。 - 日本菓子専門学校

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パン職人と資格の基礎知識|国家資格・民間資格を徹底解説します。

パン職人と資格の基礎知識|国家資格・民間資格を徹底解説します。

就職・転職で役立つ「資格」ですが、パン業界に重宝される資格があります。

特に国家資格である「パン製造技能士」は、受験資格に実務経験が必要であるため、簡単には取得できません。その分、持っていると社会的な信用度が増します。

そこで今回は、パン職人と資格の基礎知識を徹底解説します。主な種類や特徴、受験資格に加え、国家資格と民間資格の違いについても触れます。ぜひ最後までご覧ください。

パン職人とは?資格は必要?

ここでは、パン職人の特徴と仕事内容、製パンと関わりのある資格の基礎知識をご紹介します。

パン職人の主な仕事内容

パン職人の仕事は多岐にわたりますが、大部分は製パンです。バターや卵などの多様な素材を混合してパン生地を作り、発酵させて成形・焼成をおこないます。通常、ベーカリーなどの現場では、分業制が取られます。

たとえば、一定規模のベーカリーやレストラン、ホテル、工場などは、これらの工程を担当者あるいは部門ごとに処理します。一方で、個人店では、ひとりのパン職人が全工程を担うことも珍しくありません。

接客や商品の陳列、販売もパン職人の仕事です。イートインがある店舗では、飲み物の提供まで行います。さらに新商品の開発も業務の一環です。お客様の好みや流行を考慮し、より美味しいパンを追求します。パンを通じて社会や人々と繋がり、喜びや感動をわけ与えることが、パン職人のやりがいといえるでしょう。

パン職人には資格が必要?

パン職人として認められる上で、特別な資格は不要です。ただし、「パン製造技能士」や「食品衛生責任者」などの資格があると、就職・転職で有利になります。

パン製造技能士は、製パン分野における唯一の国家資格です。製パンの専門知識や技術を証明できる、社会的信用度の高い資格といえます。

食品衛生責任者は、食品の衛生管理のスペシャリストで、パン屋などを独立開業する場合に必要です。こちらもまた、飲食店経営や食品製造に欠かせない国家資格となります。このほか、「パンシェルジュ検定」や「手作りパンソムリエ」などの民間資格もあります。

上記の通り、これらの資格がなくてもパン職人になれます。ただ、資格を取ることでキャリア形成に役立ったり、より待遇のいい職場に転職できたりする可能性は十分あります。

国家資格と民間資格の違いとは?

国家資格とは、国や地方公共団体、あるいはそれに準じる機関が実施する試験に合格することで得られる資格です。

国家資格は3つのカテゴリーにわけられます。

  • 国が主催する試験(司法試験や管理栄養士など)
  • 地方公共団体が主催する試験(栄養士や職業訓練指導員など)
  • 法律で指定された団体が主催する試験(技術士や衛生管理者など)

上記に加え、業務独占資格や名称独占資格、設置義務資格、技能検定などの資格試験もあります。いずれも一定の社会的地位や信頼性が認められるため、持っていると就職・転職や独立開業の際、有利に働くでしょう。

一方の民間資格は、財団法人や社団法人などの民間団体が独自の基準で試験を行い、合格者に与える資格です。民間資格においても、知名度が高いものを取得していれば、就職・転職で有利になるかもしれません。

ただし、社会的信用度は国家資格に比べると下がります。その民間資格の汎用性や信頼度、実施している事業者について、事前に調べることが重要です。

【国家資格】製パン関係の代表的な資格

製パン関係の国家資格として、パン製造技能士・製菓衛生師・食品衛生責任者の3つが挙げられます。それぞれの特徴や受験資格、取得メリットについて解説します。

パン製造技能士

パン製造技能士は、高度な製パン技術と知識を認める国家資格です。全国の「都道府県職業能力開発協会」が実施する学科試験および実技試験に合格することで取得できます。この資格には、特級・1級・2級といった3つの級位があります。

それぞれ管理者・現場監督者、上級技能者、中級技能者のスキルレベルに応じた難易度に設定されているのです。

受験資格は級位ごとに異なります。まず、2級は2年以上の実務経験を積むか、専門学校において、指定の学科を卒業することで受験できます。日本菓子専門学校の場合、製パン技術学科(全日1年制)を卒業すれば、パン製造技能士2級の受験資格が付与されます。

さらに1級を受けるには、7年以上の実務経験、または2級取得後2年以上の実務経験が欠かせません。そして特級は1級を取得後、5年以上の実務経験を経てはじめて、受験資格が得られます。

試験内容について、1級と2級では、食品全般やパン製造法、関連法規、安全衛生などが出題されます。さらに実技試験では、パンの製造計画を自分で立て、安全に作業する能力が評価されます。なお、特級はさらに出題範囲が広がり、工程管理や品質管理、安全衛生管理、作業指導などが問われます。

パン製造技能士は名称独占資格の一種です。そのため、無資格者がパン製造技能士と称することは、法的に禁止されています。

食品衛生責任者

食品衛生責任者とは、食品関連のビジネスにおいて衛生管理全般を担う役職および資格のことです。ベーカリーなどの飲食店においては、使用する食材や設備・機器の衛生管理、従業員への衛生教育などを行います。

食品衛生責任者は、現場における衛生上のリスクを監視するとともに、必要に応じて改善を促します。たとえば、手洗い場の位置が不適切だと感じた場合、設置場所の変更を要求できるのです。後に法改正があったときには、事業者や従業員が違反しないように細心の注意を払います。

食品衛生責任者になるためには、計6時間の養成講習会の講習が必要です。ただし、調理師や製菓衛生師、栄養士のような資格を持っている場合、申請だけで資格が得られます。

なお、食品衛生責任者は施設内での衛生管理に全面的な責任を持つため、複数施設での兼任は原則、許されません。食品の安全を保障する重要な役職であり、日本の飲食店においては最低1人、食品衛生責任者の設置が義務づけられています。

【民間資格】製パン関係の代表的な資格

ここでは、製パン関係の代表的な民間資格をご紹介します。

パンアドバイザー

パンアドバイザーは、「日本野菜ソムリエ協会」が実施する民間資格です。同団体は「パンに対する深い知識を有し、その文化の発展に貢献する人物」をパンアドバイザーに認定しています。

この資格は、専門の養成講座と修了試験を経て取得できます。講座では、パンの歴史や文化、原材料、製法など、多角的に学びます。さらにパンの食べ比べを行いながら、協会が提供する専用のパン記録帳「モン・カルネ」に感想を記入するなど、実習に近い独自の取り組みがあります。

特に受験資格は必要なく、パンが好きでその魅力を広めたい人や、パンに関連する仕事に従事したい人、日常でパンを楽しみたい人におすすめです。
パンコーディネーターは、日本で初めて設けられたパンのプロフェッショナル資格です。「一般社団法人日本パンコーディネーター協会(JPCA)」が認定する民間資格で、同団体はパンを通じた生涯学習を推進し、食の専門家を育てることを活動目的としています。

この資格には、「パンコーディネーター」「パンコーディネーター・エキスパート」「パンコーディネーター・アドバンス」といった3つの種類があります。アドバンスが最上位の資格で、パンの幅広い知識を人々に伝える技術を学べます。

同団体によると、パンコーディネーターの資格を取得することで、飲食や小売業界でのマーケティングスキルや企画力が身につくとのことです。また、パンに関する幅広い知識が身につくため、それを就職・転職に活かせるといわれます。

パンマイスター

「パンマイスター」は、パン作りの基本的な技能・知識を証明する民間資格です。「公益社団法人日本通信教育振興協会」によって認定され、通信教育機関の「日本創芸学院」が運営しています。通信講座形式であるため、社会人の資格取得者も多いようです。特別な受験資格は不要で、製パン関連の民間資格では、もっとも取得のハードルが低いとされます。

パンシェルジュ検定

パンシェルジュ検定は、パンの幅広い知識を問う資格試験です。試験では、パンの製造方法や歴史、文化、マナー、最新トレンド、さらには健康や衛生に至るまで、幅広いテーマから出題されます。

この資格は「パンシェルジュ検定運営委員会」が実施しています。3級から1級までの級位があり、その合格率は84%〜49%とのことです。食品メーカーやパン教室、卸売業者などに務める人が多く受験しています。受験自体に年齢やスキルの制限は設けられておらず、試験は年2回、主要都市やオンラインで実施されます。

パン職人が資格を取得するメリットは?

パン職人が資格を取得するメリットについて、3つの観点からご説明します。

専門知識・技術の証明になる

パン職人にとって資格とは、専門知識や技術を証明できる重要な要素です。特に、パン製造技能士は製パン関連唯一の国家資格であり、製パンを生業とするなら、是が非でも取得したい資格といえます。

就職・転職で有利になる

資格はキャリアアップや転職、さらには独立開業時において役立ちます。必須資格はありませんが、就職後のキャリア形成を考えると、取っておいて損をしません。

たとえば、食品衛生責任者を持っていると好待遇の職場で働けたり、役職がついたりしやすくなります。飲食店を筆頭に、食品衛生責任者の設置が義務づけられている施設では、同資格の保持はよいアピールになるでしょう。

仕事の幅が広がる

パン製造技能士を筆頭に、持っていると仕事の幅が広がる資格は少なくありません。理由はシンプルで、一定の専門知識と技術が証明されているためです。人によっては即戦力で活躍できるため、現場で任せられる仕事が増えるでしょう。

まとめ

パン職人を目指すために、特定の資格は必要ありません。一方で、資格があると職人としての実力を証明できたり、キャリア形成で有利になったりします。とりわけ国家資格は社会的信用度が高く、早い段階で取得するのがおすすめです。

日本菓子専門学校の製パン技術学科では、在学中あるいは卒業後に、さまざまな国家資格の受験資格が得られます。実務経験を積む場合に比べ、短期間かつ効率的に資格を取得可能です。製パン関連の国家資格取得を目指す方はぜひ、当校のオープンキャンパスや学校相談会にご参加ください。

オープンキャンパスや個人面談のお申込み・お問い合わせはこちらから
/https://www.nihon-kashi.ac.jp/taiken

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