今回は、社会人がパティシエになるための方法や道筋、必要な知識・技術をご紹介します。専門学校に通うメリットや魅力についても触れますので、ぜひ参考にしてください。
パティシエは、スイーツ好きにとって「天職」ともいえる、根強い人気を誇る職業です。そんなパティシエへの夢を持ち続け、思い切って他業界から転職する社会人も少なくありません。そうした人達は、製菓専門学校に進学し、パティシエに欠かせない知識や技術を学んでいます。
社会人がパティシエを目指すことはできる?
本人の意思次第で、社会人でもパティシエになることができます。パティシエに転職する際には、製菓の基礎知識が欠かせません。将来的に独立開業を目指すなら、店舗経営やマネジメントのスキルも必要です。
これらの知識および技術は、製菓専門学校で集中的に学べます。製菓技術学科やパティシエ技術学科などがある専門学校を探してみましょう。
社会人が専門学校に入学するメリットは大きいです。まず、専属講師のもと、仕事に欠かせない知識や技術が効率的に身につきます。プロに直接指導を受けられるのは、専門学校ならではの特徴です。
パティシエの場合、製菓製造の知識や技術、衛生知識などを中心に学びます。基礎から応用まで、パティシエとして活躍するための能力を養うのです。さらに資格の取得にも対応しています。在学中に製菓関連の資格を取得することで、転職活動やキャリアアップで有利に働きます。
同じ目標を持つ仲間と知り合い、一緒に成長できるのも魅力です。ある専門学校のデータによると、在校生の約7割が高校新卒者、約3割が再進学者とのことでした。つまり、10人に3人が社会経験のある大人です。
「若い人が多そう……」「一緒に頑張れるだろうか」と心配になる必要はありません。実際、パティシエへの夢が諦めきれず、社会生活を経て再進学する人はたくさんいます。そうしたクラスメイトとともに切磋琢磨する学生生活は楽しく、有意義に感じられるでしょう。
パティシエに必要な知識・スキルは?
改めて、パティシエになるために必要な知識やスキルについてご説明します。
製菓技術・知識
製菓技術・知識とは、お菓子作りに必要な技術や知識のことです。これには原材料の選定、製造工程の管理、商品品質の管理、衛生状態の維持などが含まれます。
一般的に製菓のカテゴリーは、和菓子と洋菓子に分類され、それぞれ独自の手法や専門知識が求められます。たとえば、和菓子分野では、まんじゅうや「練り切り」などを主に扱います。対して洋菓子は、チョコレートやケーキ、クッキーなどを扱います。
パティシエは洋菓子の職人なので、基本的には洋菓子製造の知識や技術を身につけることになります。いずれも製菓専門学校のカリキュラムに含まれており、座学や実習で学びます。
衛生知識
衛生知識は、食品の安全性と衛生状態を守るための専門知識です。一般的な製菓専門学校では、衛生知識を深める目的で食品学や食品衛生学、栄養学をカリキュラムに含めています。なお、日本菓子専門学校をはじめ、在学中に「製菓衛生師」と呼ばれる国家資格を取得できる学校もあります。
製菓衛生師とは、菓子製造業界で働く人々のスキルを高め、公衆衛生を向上させる目的で設立されました。パティシエはもちろん、和菓子職人やパン職人においても、取得するメリットが大きい資格です。
製菓衛生師の試験科目には、衛生法規や公衆衛生学、食品学、食品衛生学、栄養学などが含まれます。これらの知識は製菓専門学校で修得可能です。
また、製菓衛生師の受験資格として、中学卒業以上かつ製菓製造業で2年以上の実務経験」が求められます。一般的には、いずれかのパターンで資格取得を目指します。
- 製菓専門学校などの在学中に受験・取得
- 卒業時、受験資格が付与されてから受験・取得
- 卒業後にさらに実務経験を積んでから受験・取得
製菓衛生師の資格受験に実務経験は欠かせません。しかし、製菓専門学校で当該学科を学ぶと、受験資格が付与され、実務経験不要で受験できます。これは製菓専門学校に入学し、パティシエを目指す大きなアドバンテージといえるでしょう。
製菓衛生師を取得するメリットは、食品衛生管理者としての申請がスムーズになること、そして職場での信頼性が増し、転職先やキャリアの選択肢が広がることが挙げられます。美味しく安全なスイーツ作りの基盤となるため、パティシエに衛生知識は欠かせません。
コミュニケーションスキル
パティシエの仕事は、スタッフ間の連携やコミュニケーション能力が重要とされます。まず、多くのパティシエの勤務先は、個々担当業務が異なる「分業制」を採用しています。洋菓子メーカーや大手菓子専門店、ホテルやレストランは大抵、生地担当やオーブン担当、仕上げ担当などが配置されています。
現場ではチームワークが何よりも重視されます。そのため、パティシエにはコミュニケーションスキルが必要です。
マネジメントスキル
パティシエは製菓技術・知識や衛生知識が重要で、マネジメントスキルは不要と思われがちです。しかし、独立開業して人を雇ったり、「オーナーシェフ」や「部門シェフ」として現場を預けられたりした場合、マネジメントスキルが必要となります。
製菓業界におけるマネジメントスキルの必要性は、立場や役職、階級に依存します。ただし、将来的な転職やキャリア展開を考慮すると、身につけておきたいスキルなのは確かです。
社会人からパティシエを目指すための準備
社会人からパティシエを目指すため、まずは何から始めればいいでしょうか?ここでは、専門学校入学前に取り組むべき準備について解説します。
情報収集
業界の現況や将来展望を認識することで、学んだスキルや知識をどう活かすかが見えてきます。これは転職先やキャリアプランを考える上で役立つでしょう。情報収集手段としては、業界に関連するWeb記事やブログを閲覧するのがおすすめです。また、製菓業界で働く人々や専門家のコラムなども、業界の動きやトレンドの把握に役立ちます。
専門学校の選定
自身の状況や希望に合わせ、進学候補の専門学校を洗い出します。基本的には通いやすく、求める知識や技術が身につく教育施設を選びましょう。専門学校の資料を請求したり、オープンキャンパスや説明会に足を運んだりして、自分にぴったりの学校を見つけてください。
学費の準備
製菓専門学校に通うためには学費が必要です。一年制の学費の相場は150〜200万円、二年制は300〜400万円です。これは平均相場であり、さらに高額な学費を設定する専門学校もあります。なお、本校はより多くの学生がパティシエを目指せるよう、決して質は落とすことなく、それでもこの相場においては低い価格を設定しています。
いずれにしても貯金したり、副業を検討したりして、学費や入学後の生活費をどうするか考えましょう。学費支援制度や奨学金制度がある学校では、対象者や適用条件を確認しておくことが大切です。
社会人が製菓専門学校を選ぶ際のポイント
ここでは、社会人が製菓専門学校を選ぶ際に意識したい4つのポイントをご紹介します。
学業に専念するか働きながら学ぶか
通信教育コースがある学校など、自分の都合に合う専門学校を選びましょう。第一に考えたいのは、「学業に専念する」か「働きながら学ぶ」かです。
前者の場合、現在の勤務先を退職し、製菓専門学校の通常学科に入学することとなります。たとえば、日本菓子専門学校では「製菓技術学科」や「パティシエ技術学科」があります。
「製菓技術学科」は2年制、「パティシエ技術学科」は1年制の学科です。少なくとも1年間は学業に専念することになるため、その間の生活費などをどうするか、検討することになります。
それが難しい場合、現在の職場で働きながら、製菓専門学校で知識・技術を学びます。ポイントは、学業と仕事を両立しやすい学校を選ぶことです。ただし、定期的に実習があり、実技をしっかりと身につけられる教育施設でなければなりません。
日本菓子専門学校は、働きながら製菓製造を学びたい人にぴったりの通信教育課程があります。ワークライフバランスを保ちつつ、効率的かつ質の高い「学び」を得たい社会人におすすめです。
適切な学費やカリキュラムの学校を選ぶ
学費やカリキュラムは、専門学校により異なります。進学先候補の学校を比較検討し、自分に合った学校を選ぶことが大切です。
カリキュラムは、学校ごとに方針や取り入れている学科、重視している学科が違います。このあたりにもついても、各学校への資料請求をはじめ学校説明会などのオープンキャンパスで直接問い合わせることをおすすめします。
学生支援制度が充実している学校を選ぶ
社会人向けの学生支援制度が充実していると、学費負担などが大きく軽減されます。たとえば、「独立行政法人日本学生支援機構」の奨学金制度は、社会人学生においても利用できます。「貸与型」と「給与型」の2種類があり、それぞれ採用基準や学力水準、採用人数が異なります。
経済事情は人それぞれであり、利用できる学生支援制度も異なります。関連制度が豊富な学校なら、経済面の心配を軽減でき、安心して学業に専念できるでしょう。
パティシエを目指すなら「日本菓子専門学校」がおすすめ
社会人からパティシエを目指すなら、日本菓子専門学校への再進学をおすすめします。
日本菓子専門学校では、2年制の製菓技術学科、1年制のパティシエ技術学科、そしてより高度な製菓製造技術を学べるハイテクニカル学科を設置しています。いずれもカリキュラムや実習が充実しており、効率的に製菓技術・知識を学ぶ環境が整っています。
全日2年制の製菓技術学科では、1年次に洋菓子・和菓子・製パンの基礎的な部分を、そして2年次に専門性の高い知識・技術を学びます。1テーブル3人の少人数制による実習が特長で、学生一人ひとりに専任教師および外部講師が的確な指導を行います。また、本校には2年間かけて製菓製造を学べる「通信教育課程」もあります。
通信教育課程では、自宅学習とスクーリング(来校授業)の2つの軸で、パティシエに必要な技術・知識を身につけます。卒業までに製菓衛生師の資格を取得できるのも、大きな魅力です。
一般に「通信コース」と呼ばれるものは、課題レポートに取り組む自宅学習がメインです。忙しい社会人にとって、隙間時間で勉強をできるのはありがたいでしょう。しかし、パティシエはあくまでも、手仕事がメインの「職人」です。より多くの実習を受けなければ、技術面の向上は見込めません。
本校の「通信教育課程」は定期的に実習を行うため、確かな技術が身につきます。本人の意思さえあえば、社会人でもパティシエになるのは十分可能です。
まとめ
これからパティシエを目指すなら、情報収集と学校選びから始めましょう。日本菓子専門学校では、定期的にオープンキャンパスや学校説明会を実施しています。社会人の場合、まずは学校説明会へのご参加をお願いしております。随時、再進学説明会を実施しておりますので、進学を検討されている方はぜひHPからお申し込みまたはお問い合わせください。
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