お久しぶりです。早いもので後期が始まり、もう1か月になりました。気温も下がり過ごしやすくなってきましたが、8月前半に行った暑い時期に美味しいグラス・ソルベの授業です。
グラスとソルベ。フランス語でグラスは「アイスクリーム」、ソルベは「シャーベット」のことです。
グラスとソルベは何が違うの?とよく聞かれますが、分かりやすく言うとグラス(アイスクリーム)には乳脂肪分が入っており、ソルベ(シャーベット)には入っていないのです。
今回はグラス・ソルベ等の「氷菓」の授業の3回目、締めくくりの回です。
我が日本菓子専門学校には様々な機械がありますが、アイスクリームマシンもあります。今はアントルメグラッセ(アイスケーキ)の専門店もあり、個人店のパティスリーでもグラス・ソルベを作っているお店も沢山あります。もちろんホテルやレストランでも作るところは多いので、パティシエとしては知っておいた方がいい技術になります。
今回は4種類のグラス・ソルベを作ると共にフィユタージュ(折りパイ生地)で器を作り、ポワール(洋梨)のキャラメリゼを中に入れて、皿盛りデザート風に仕上げます。
数班ごとにベースを作り、順番にアイスクリームマシンにかけていきます。今回仕込む4種類は、グラスはバニラとコーヒー・ラムレーズン、ソルベはマスカルポーネとフリュイルージュ(赤い果物)です。
そしてこの授業の1番の醍醐味は!
回したてのグラス・ソルベを食べられること!!!
グラス・ソルベは液体を攪拌して冷やしていくことで空気を抱き込み、氷点下のものでも柔らかいのです(まあ、それなりの硬さはありますが)。
だがしかし!出来立て回したてのグラス・ソルベの柔らかさといったら!
何とも言えない絶妙な柔らかさ。そして口に入れるとすぅ~っと溶けていく快感。この食感はこの瞬間だけ
そう!これはもう作った人だけの特権なのです!
まず最初はマスカルポーネですね。
今回は特別に、完成!即試食!!! みんなスプーンを持って待ち構えています。
これはフリュイルージュですね。今回はフランボワーズとイチゴのミックスです。
これはほぼ出し終わったところですね。
キッチリきれいに残さず取り出します。あの丸の中が冷えていき、三叉の部分の刃が回転しながら固まったところをはがしていき、アイスになるのです。
これはコーヒーラムレーズンですね。
さて、パイの器を作るフィユタージュでミルフィーユも作ります。ミルフィーユも板と、フィユタージュを重ねて丸い器も作っていきます。
このように菊型でフィユタージュを抜き2枚合わせで器の形にして焼成します。
ミルフィーユの板は、ある程度浮いたら粉糖を表面にふりかけて、キャラメリゼします。
焼き上がり!
バッチリ良い感じにキャラメリゼも出来ました!
今回はシンプルにクレーム・ディプロマートだけをサンドします。
仕上げもシンプルに。
イチゴなどを入れるのもいいですが、私はしっかりと焼いたフィユタージュにクリームだけのシンプルなミルフィーユのほうが好きです。
ミルフィーユはカットするのも難しい。2年生はお店に出せるような製品に仕上げなければなりません。
そして、パイの器(ブーシェ)の中に入れるポワールのキャラメリゼも作ります。美味しそうな色のキャラメルが出来たら、角切りにしたポワールを入れてキャラメリゼしていきます。
最後にアルコール度数の強いお酒をふりかけ火をつけてアルコール分を飛ばし風味や香りをまとわせる、とても見栄えのするテクニック、その名も
「フランベ」🔥🔥🔥!
私がデザート専門店にいた時は、カメラはもちろんビデオカメラまで構えるお客様続出の一瞬の技!
お酒をふりかけ
ファイヤー!
ファイヤー!ファイヤー!
ポワールキャラメリゼ完成です。
これをブーシェに入れて、あとは好き好きにアイスをのせていきます。
強者は4種類を2玉ずつ、おかわりする者も!
今回の製品たち
さらに隙間をぬって仕込んだサブレ・ディアマン
まだまだ暑さの残る9月前半だったので、最後のアイスの授業もいい感じに終わることができました。 とにかくあの出来立てアイスの感動は心に残ると思います。
toru