美味しいスイーツを作り、人々に笑顔を届けるパティシエは、技術やセンスを活かせる魅力的な職業です。しかし、その実態についてはわからない方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、パティシエの仕事のやりがいや大変な点、向いている人の特徴を解説します。パティシエを目指すために必要な準備についても触れているので、これからパティシエとして活躍したい方は、ぜひ参考にしてください。
■パティシエの仕事のやりがい
甘いスイーツを提供するパティシエの仕事には、多くの魅力があります。
この章では、パティシエが感じるやりがいを見ていきましょう。
・お客様を笑顔にできる
パティシエは、手作りのスイーツを通じてお客様を笑顔にできる仕事です。甘いものは人々に癒しや喜びをもたらし、特別な瞬間に彩りを加えます。
誕生日や記念日、日々のご褒美として選ばれるケーキやお菓子を、お客様に美味しいと感じてもらえることは、パティシエにとって大きな喜びです。お客様の満足の声や再び訪れる姿は、次の作品を作り出すための励みとなるでしょう。
・オリジナルスイーツが作れる
パティシエとして経験を積むうちに、自分のアイデアを活かした新しいスイーツの開発に携わる機会が増えます。最初は既存の商品をアレンジすることから始めても、次第に自分の理想やセンスを反映したオリジナルスイーツを考案できるようになるでしょう。
パティシエは、自分のアイデアを形にできるクリエイティブな仕事であり、自分が生み出した商品でお客様を喜ばせる達成感は、パティシエならではの魅力です。
・スキルアップや知識を磨ける
常にスキルや知識を磨き続けられることも、パティシエの魅力です。新人時代は慣れない作業も多いかもしれませんが、経験を積むことで徐々にできることが増えていきます。
スイーツ作りに関する技術や食材の知識を日々深めていくことで、パティシエとしての腕前が向上し、自己成長を実感できるでしょう。さらに、研究や新しい技術の習得を続ければ、一生もののスキルが身につき、独自の強みをもったパティシエとして活躍できます。
・独立して自分の店を開業することができる
パティシエとして十分な経験を積んだ後には、独立して自分の店の開業も目指せるようになります。開業するためには、スイーツ作りの技術だけでなく、経営やマネジメントの知識も必要ですが、自分の理想を形にできる喜びは格別です。
自分のスタイルを反映させた店で、お客様に喜ばれるスイーツを提供することで、大きな喜びと達成感を得られるでしょう。
・日本以外にも活躍の場を持てる
パティシエは、実力次第で日本以外に活躍の場を広げることも可能です。日本のパティシエは世界でも高く評価されており、国内でスキルを磨き、洋菓子のコンクールで高い評価を得れば、海外のレストランやホテルから声がかかることも珍しくありません。
また、海外での修行やワーキングホリデーを通じて、新たな技術やセンスを吸収するチャンスも得られます。海外で自分の腕を試し、国際的に活躍することは大きなやりがいとなるでしょう。
■パティシエの仕事で大変なことは?
パティシエは、やりがいを感じられる魅力的な職業ですが、大変なこともあります。
パティシエとして活躍するために、パティシエの仕事の大変な部分も知っておきましょう。
・怪我をすることがある
パティシエは、オーブンや包丁、大型の業務用機械を使用するため、特に新人のうちはミスによる怪我に注意が必要です。日々の業務では、火傷を防止するカバーや安全装置の確認など、細かな注意を払いましょう。
安全を心がけながら作業を進めることで、安心して仕事に取り組めるようになり、経験を積むことで道具を扱い慣れてくると怪我も少なくなります。
・仕事に慣れるまでの苦労
パティシエの仕事は、家庭でのお菓子作りとは異なり、大量のケーキを同じクオリティで作り続ける必要があり、最初は慣れるまでに時間がかかることもあるでしょう。手順を覚えるだけでなく、繰り返し作業をこなしながら、動作を体で覚えることを求められます。また、材料や環境の変化に対応するための知識も必要です。
仕事に慣れるまでの過程では多くの練習が必要ですが、少しずつ技術が身についていくことで、仕事への自信と楽しさが増していくでしょう。
・経験が浅いと収入につながりにくい
経験が浅いパティシエは、収入が少ない傾向があります。見習い時期の給料は月に十数万円程度で、ある程度経験を積んでも収入が大幅に上がりにくいこともあるでしょう。特に、主な個人経営の店舗では、ボーナスや昇給が期待できないことがあるかもしれません。これは、ケーキ作りに必要な材料費がかさみ、利益を出しにくいことが要因です。
しかし、スキルや経験を積むことで、将来的に自分の店をもつなど、可能性が広がる仕事でもあります。
・イベントごとがあると忙しい
パティシエは、お祝い事に関わる仕事なので、クリスマスをはじめ、ゴールデンウイークなど人が集まりやすい時期やバレンタインの時期など、どうしても忙しくなる時期が発生します。場合によっては労働時間が長くなったり希望日に休みがとりにくくなったりすることもあるでしょう。繁忙期にはいつも以上に、体力と集中力が求められますが、スイーツ作りに情熱をもち、目標に向かって働くことで充実感や達成感を得られます。
■パティシエはどんな人に向いている?
ここでは、パティシエとして働くために必要な資質や、どんな人が向いているかについて解説します。
・地道な努力を続けられる人
パティシエの仕事は、同じ作業を繰り返すことや、細かな技術を磨き続けることが求められます。特に、大量のスイーツを一貫したクオリティで作り上げるには、忍耐強さと集中力が必要です。
日々の小さな積み重ねが、やがて技術の向上につながるため、飽きずにコツコツと取り組み、スイーツ作りを楽しく続けられる人は、パティシエとして成長していけるでしょう。
・柔軟に対応できる人
スイーツ作りの現場では、予期しないトラブルや変更が発生することがあります。そのような場面では、指示を待つだけでなく、自分から積極的に行動し、状況に応じて適切な判断をしなければなりません。
柔軟な姿勢で臨機応変に対応できる人は、仕事をスムーズに進め、チームにとっても頼りになる存在となるでしょう。
・お菓子とお菓子作りに愛情や情熱がある人
お菓子作りが好きで、技術を学びながら成長していく過程を楽しめる人は、パティシエに向いています。思いが込められた美味しいスイーツを提供し、お客様の笑顔を見ることが、パティシエにとっての大きなやりがいとなるでしょう。
スイーツを通じて誰かを喜ばせたい、幸せにしたいという思いは、パティシエとしての大きな原動力となります。
■パティシエを目指すならやっておくべきこと
最後に、パティシエになるために準備しておくべきポイントを紹介します。
パティシエを目指すには、基礎的な製菓の知識や技術の習得が不可欠です。資格取得や衛生管理の知識も必要で、素材の研究やレシピの理解を深めることを求められます。基本的な技術の習得や資格取得、素材研究なども行ったうえで、トレンドを意識しながら、創造力や企画力も磨いておきましょう。
・健康や体力に気を付ける
パティシエの仕事は、長時間の立ち仕事や、朝早くから夜遅くまで続くときもあり、日々の体調管理が必要不可欠です。また、時には重い材料を運ぶこともあり、体力が求められる場面もあります。そのため、健康を意識し、体力を付けておくとよいでしょう。
無理なく仕事を続けるためには、適切なケアをしながら日々の体力維持を心がけることが大切です。
・トレンドや流行のチェック
パティシエを目指すなら、トレンドや流行を日頃からチェックしておくことが大切です。お菓子作りは自由な発想で形やデザインを作り上げる楽しさがありますが、一方で、常に新しいアイデアやセンスが求められます。
流行のスイーツや人気のデザイン、旬の食材に関心をもち、自分の感性を磨きましょう。日々アンテナを広げることで、独自のアイデアを取り入れた魅力的なスイーツを作る力が身につきます。
・コミュニケーション能力の向上
パティシエの仕事では、お菓子作りの技術だけでなく、チームで仕事を進めるための円滑なコミュニケーションも求められます。まずは挨拶や返事など、基本的なコミュニケーションをしっかり行いましょう。
また、分からないことがあれば、自分から積極的に質問し、周囲と協力しながら学んでいく姿勢も大切です。製菓の世界も人との関わりが中心であり、良好な人間関係を築けるコミュニケーション能力は大きな武器となります。
・企画力や表現力を広げる
パティシエとして自分のアイデアを形にし、多くの人に喜んでもらうためには、常に新しい発想を取り入れながら感性を磨くことが大切です。
おいしいケーキやお菓子はすでにたくさんありますが、オリジナリティをもった商品を企画し、魅力的に表現することでお客様の心をつかめます。たとえば、季節やイベントに合わせたアレンジを加えたり、ショーケースの並べ方やラッピングにも工夫を凝らしたりと、お店全体の魅力を高める力が必要です。
■まとめ
パティシエの仕事は体力や技術が求められ、時には苦労も伴いますが、その先にあるのは、自分の手で作り上げたスイーツでお客様に笑顔を届けられるという大きなやりがいです。人の喜びに直結し、日々成長しながら達成感を味わえる魅力がたくさんあります。
これからパティシエを目指したいと考えているなら、専門学校に通うことがおすすめです。日本菓子専門学校では、気軽に参加できるオープンキャンパスや学校説明会を定期的に実施しています。まずはオープンキャンパスに参加し、夢に向かうための一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。