和菓子職人を目指せる専門学校とは?実習・授業内容をわかりやすく解説
日本の伝統菓子を手がける「和菓子職人」ですが、「そもそもどうやってなるの?」と気になる方が多いようです。そこで今回は、和菓子職人を目指せる専門学校の基礎知識を徹底解説します。実習や学科授業の内容、取得できる国家資格なども詳しくお話しますので、ぜひ学校選びの参考にしてください。
和菓子職人とは、日本伝統の生菓子・半生菓子・干菓子を製造する職業のことです。和菓子作りは「餡炊きに始まり、餡炊きに終わる」といわれ、一人前として認められるには、何年~何十年もの修行が求められます。
さらに和菓子職人は、新商品の開発も行います。和菓子は日本の四季や自然を表現した「小さな芸術作品」であり、長い歴史と伝統が受け継がれています。見た目の華やかさと美味しさを兼ね備えた「創作和菓子」を考案し、より幅広い世代に和菓子を伝えることも、職人の大切な役割といえます。
和菓子職人を目指す場合、専門学校を卒業して職人を目指すパターンと、和菓子職人に弟子入りするパターンの2つにわかれます。それぞれのメリットやデメリットは以下の通りです。
和菓子職人を目指すおすすめのルートは、専門学校で和菓子製造の基礎を学び、卒業後は和菓子店などで実務経験を積むことです。製菓専門学校に進学することで、和菓子職人としてのキャリアをスムーズにスタートさせられるでしょう。
製菓専門学校に通うメリットは、実際の現場に近い環境での実習や、講師によるプロ目線での指導、業界との強いつながりが挙げられます。また、同じ目標を持つクラスメイトや上級生から学ぶことも多いでしょう。
和菓子の基礎的な知識・技術だけでなく、さまざまな国家資格を取得できるのも、製菓専門学校に通うメリットです。たとえば、日本菓子専門学校では、在学中に「製菓衛生師」、[A2] 卒業後は「菓子製造技能士」資格を取得できます。いずれも社会的信用度の高い資格であり、卒業後の就職・転職活動において有利に働きます。
さらに当校は、「専任教師」が多く在籍することが強みです。専任教師とは文字通り、学校に所属する「教師」であり、外部から招く非常勤の「講師」とは違います。個々がクラスを受け持ち、講師[A3] と同じくプロ目線で、生徒1人ひとりに寄り添った指導を行います。
和菓子職人に弟子入りするパターンもありますが、これには明確なメリット・デメリットがあります。
メリットは、和菓子製造に必要な技術と知識を現場で学べることです。一方、長期間の修行が必要になったり、収入面から経済的に苦しい状況が続いたりする可能性があります。製菓専門学校で和菓子製造の基礎を学び、確かな実力をつけてから就職するのがおすすめです。
和菓子職人になるための道は複数あります。自分の経済状況や目指す目標によってベストな道を選ぶことが大切です。
一口に実習といっても、その内容はさまざまです。ここからは、日本菓子専門学校の「製菓技術学科」を例に、製菓専門学校で行われる実習内容についてご紹介します。
「和菓子基礎」では、和菓子の基礎的な製造技術について学びます。これには、あんの炊き方、各種生地の扱い方、細工の基礎などが含まれます。また、生菓子、上生菓子、蒸し菓子、半生菓子、流し菓子、干菓子など、その種類に応じた異なる製法も学びます。これらは和菓子職人が有する専門技術および知識の基盤を築くために重要です。
日本菓子専門学校では、1年次では「和菓子基礎」「洋菓子基礎」「製パン基礎」、「洋菓子I」、「和菓子I」を包括的に学び、製菓技術者になるための土台を固めます。その後、2年次で「洋菓子科」と「和菓子科」にわかれ、より高度で専門的な知識を深めていくのです。
1年次で学ぶ「和菓子I」は、オーブン焼菓子や平鍋焼き菓子、枠蒸し菓子、半生、干菓子などの製造方法を実習します。そして2年次では、より専門的な製品実習である「和菓子II」と、工芸菓子などの専門実習である「和菓子III」を学びます。なお、「和菓子III」には卒業制作も含まれます。
安全で美味しい和菓子を作るには、食品製造に関する専門知識が必要です。ここでは、日本菓子専門学校の「製菓技術学科」をもとに、製菓専門学校で学べる学問分野や授業内容についてご紹介します。
「衛生法規」とは、衛生に関連する行政の法律・命令・規則などを総称したものです。本校の「製菓技術学科」においては、食品衛生法などを学びます。
食品衛生法は 、飲食による健康被害を防止するために制定されました。社会全体の健康と安全を守るために存在し、食品製造を担う者として、必ず理解しておくべき内容です。また、食品衛生法を学ぶ学問分野を「食品衛生学」といいます。
「食品衛生学」とは、食品の安全衛生の基礎知識に加え、アレルギー表示や期限表示といった食品表示を学びます。製菓技術者として、肉眼では見えない微生物や食材の鮮度に対する意識は、安心・安全な食品提供の観点から欠かせません。なお、これには微生物性食中毒、自然毒食中毒、寄生虫症などの知識も含まれます。
「食品学」とは、食品に含まれる成分や加工法を学ぶ学問分野です。お菓子の主要材料である粉・卵・砂糖・バターの特性や、生地が膨らむ理論などを学びます。これにより、食品に関する広範な基礎知識が身につきます。単に美味しいだけでなく、製造過程や食品の性質、人体への影響について深く理解することが、現代の製菓技術者に求められています。
「栄養学」は、食品が人の体におよぼす影響を学ぶ学問分野です。「製菓技術学科」では、衛生法規や食品学に並行して栄養学も学びます。
栄養学では、食品に含まれる栄養素の種類や役割、摂取量などを学びます。さらに食品が人々の健康や生活にどのように影響を与えるか、食事のバランスや食生活の改善方法がなぜ重要なのかがわかるようになります。
これらの知識は、製菓製造の現場において、健康に配慮した商品開発を行ったり、お客様に情報提供をしたりする際に役立つでしょう。
「公衆衛生学」は、広範囲な視点から人々の健康を守り、向上させるための学問分野です。主に疾病の予防、寿命の延長、身体的および精神的健康の増進、生活の質の向上を学びます。一見して医療系の学問に思えますが、「製菓衛生師」資格の出題範囲に含まれるため、本校ではカリキュラムに取り入れています。
「製菓理論」とは、菓子製造における理論的な知識・技術を学ぶ分野です。これにより、材料の特性や製法、食感や風味のコントロールに必要な知識が身につきます。「製菓理論」を修めることで、どのような製造環境や材料であっても味わいが安定し、人々に長く愛される和菓子を作れるようになります。
「材料学」では、菓子製造に使用される材料の性質や特性、選び方、取り扱い方法を学びます。具体的には、小麦粉・砂糖・乳製品・寒天・ゼラチン・米粉などの基本材料について学び、それぞれの材料が菓子にどのような影響を与えるかを理解します。
たとえば、菓子材料として捉える際の乳製品の比較や、異なる種類の蜂蜜を使用した際の風味・味わいの違いなどを学びます。この知識と技術は、製菓技術者がお客様に喜ばれる製品を開発し、市場で競争力のある製品を提供するために欠かせません。
「経営学基礎論」は、製菓業界におけるビジネスの基礎理論や経営戦略に焦点を当てた科目です。具体的には、製菓業界の現状認識、菓子文化の理解、製菓店の経営戦略、マーケティング、財務管理など、製菓ビジネスに関連する多岐にわたるトピックを学びます。この学科で、将来的に独立開業を目指す人、現場でリーダーシップを発揮できる人を養成します。
「製菓理論」や「材料学」と並行して「経営学基礎論」を学ぶことで、製菓技術とビジネススキルをバランスよく習得することが可能です。魅力的なお菓子を作るだけではなく、それを市場に出す方法やビジネスとして成功させるための視点が身につきます。
日本菓子専門学校の「製菓技術学科」では、文化教育や茶道、書道などのゼミナールを実施しています。これらの教育は、製菓技術のみならず、接客スキルや人間性を育成する重要な学びと考えています。
ここでは、製菓専門学校で取得できる2つの国家資格についてご紹介します。これらの国家資格は、日本菓子専門学校の「製菓技術学科」においても在学中あるいは卒業後に取得可能です。
製菓衛生師は、菓子の種類が多様化した現代社会において、国民の食生活を守ることを目的に策定された「製菓衛生師法」にもとづく国家資格です。この資格を得ることで、高度な菓子製造知識や衛生知識の習得を証明できます。
製菓衛生師の資格試験には、受験資格が設けられており、製菓衛生師養成施設で1年以上学ぶか、製菓職に2年以上従事する必要があります。日本菓子専門学校の「製菓技術学科」の場合、1年次に製菓理論などを学んで受験資格を獲得し、2年次に受験します。在学中に国家資格を取得できるのは、専門学校に通う大きな魅力といえるでしょう。
また、試験科目は「衛生法規」「公衆衛生学」「食品学」「食品衛生学」「栄養学」「製菓理論および製菓実技」の6科目です。製菓実技については、和菓子・洋菓子・製パンの中から1つを選びます。計60問、4肢択一方式の試験です。
和菓子職人を名乗る上で、製菓衛生師資格の取得は、必須ではありません。しかし、国家資格の有無は、自身のキャリア形成や就職・転職に影響します。これから和菓子職人を目指すなら、学生時代に取得しておきたい資格といえるでしょう。
菓子製造技能士は、高度な菓子製造技術を証明する国家資格です。この資格には1級と2級があり、1級は上級者向け、2級は中級者向けとされています。
菓子製造技能士の試験を受けるためには、一定の実務経験が必要です。2級の場合は2年以上、1級の場合は7年以上の実務経験が求められます。ただし、厚生労働大臣が指定した専門学校などを卒業しており、在学中に関連学科を800時間以上修了している者は、実務経験不要で2級を受験できます。
菓子製造技能士の資格を取得するメリットは多岐にわたります。技術の証明になるだけでなく、キャリアアップに役立つこと、製菓衛生師の知識が活かせること、職業訓練指導員免許を取得する際に有利になります。
和菓子職人を目指すなら、日本菓子専門学校をはじめとする専門学校への進学をおすすめします。実態として、学生時代に製菓製造の基礎を身につけ、和菓子職人の世界に飛び込む人がほとんどです。製菓関連の国家資格も取得できるので、専門学校に通うメリットは大きいでしょう。興味のある方は、ぜひ本校のオープンキャンパスや学校説明会にご参加ください。
オープンキャンパスや個人面談のお申込み・お問い合わせはこちらから
https://www.nihon-kashi.ac.jp/taiken
和菓子職人の仕事内容とは?
さらに和菓子職人は、新商品の開発も行います。和菓子は日本の四季や自然を表現した「小さな芸術作品」であり、長い歴史と伝統が受け継がれています。見た目の華やかさと美味しさを兼ね備えた「創作和菓子」を考案し、より幅広い世代に和菓子を伝えることも、職人の大切な役割といえます。
和菓子職人を目指す2つのパターン
和菓子製造を学べる専門学校に進学する
製菓専門学校に通うメリットは、実際の現場に近い環境での実習や、講師によるプロ目線での指導、業界との強いつながりが挙げられます。また、同じ目標を持つクラスメイトや上級生から学ぶことも多いでしょう。
和菓子の基礎的な知識・技術だけでなく、さまざまな国家資格を取得できるのも、製菓専門学校に通うメリットです。たとえば、日本菓子専門学校では、在学中に「製菓衛生師」、[A2] 卒業後は「菓子製造技能士」資格を取得できます。いずれも社会的信用度の高い資格であり、卒業後の就職・転職活動において有利に働きます。
さらに当校は、「専任教師」が多く在籍することが強みです。専任教師とは文字通り、学校に所属する「教師」であり、外部から招く非常勤の「講師」とは違います。個々がクラスを受け持ち、講師[A3] と同じくプロ目線で、生徒1人ひとりに寄り添った指導を行います。
和菓子職人に弟子入りする
メリットは、和菓子製造に必要な技術と知識を現場で学べることです。一方、長期間の修行が必要になったり、収入面から経済的に苦しい状況が続いたりする可能性があります。製菓専門学校で和菓子製造の基礎を学び、確かな実力をつけてから就職するのがおすすめです。
和菓子職人になるための道は複数あります。自分の経済状況や目指す目標によってベストな道を選ぶことが大切です。
製菓専門学校で行う実習内容とは?
和菓子基礎
和菓子I・II・III
1年次で学ぶ「和菓子I」は、オーブン焼菓子や平鍋焼き菓子、枠蒸し菓子、半生、干菓子などの製造方法を実習します。そして2年次では、より専門的な製品実習である「和菓子II」と、工芸菓子などの専門実習である「和菓子III」を学びます。なお、「和菓子III」には卒業制作も含まれます。
製菓専門学校で行う授業内容とは?
衛生法規
食品衛生法は 、飲食による健康被害を防止するために制定されました。社会全体の健康と安全を守るために存在し、食品製造を担う者として、必ず理解しておくべき内容です。また、食品衛生法を学ぶ学問分野を「食品衛生学」といいます。
食品衛生学
食品学
栄養学
栄養学では、食品に含まれる栄養素の種類や役割、摂取量などを学びます。さらに食品が人々の健康や生活にどのように影響を与えるか、食事のバランスや食生活の改善方法がなぜ重要なのかがわかるようになります。
これらの知識は、製菓製造の現場において、健康に配慮した商品開発を行ったり、お客様に情報提供をしたりする際に役立つでしょう。
公衆衛生学
製菓理論
材料学
たとえば、菓子材料として捉える際の乳製品の比較や、異なる種類の蜂蜜を使用した際の風味・味わいの違いなどを学びます。この知識と技術は、製菓技術者がお客様に喜ばれる製品を開発し、市場で競争力のある製品を提供するために欠かせません。
経営学基礎論
「製菓理論」や「材料学」と並行して「経営学基礎論」を学ぶことで、製菓技術とビジネススキルをバランスよく習得することが可能です。魅力的なお菓子を作るだけではなく、それを市場に出す方法やビジネスとして成功させるための視点が身につきます。
各種ゼミナール
製菓専門学校で取得できる資格とは?
製菓衛⽣師
製菓衛生師の資格試験には、受験資格が設けられており、製菓衛生師養成施設で1年以上学ぶか、製菓職に2年以上従事する必要があります。日本菓子専門学校の「製菓技術学科」の場合、1年次に製菓理論などを学んで受験資格を獲得し、2年次に受験します。在学中に国家資格を取得できるのは、専門学校に通う大きな魅力といえるでしょう。
また、試験科目は「衛生法規」「公衆衛生学」「食品学」「食品衛生学」「栄養学」「製菓理論および製菓実技」の6科目です。製菓実技については、和菓子・洋菓子・製パンの中から1つを選びます。計60問、4肢択一方式の試験です。
和菓子職人を名乗る上で、製菓衛生師資格の取得は、必須ではありません。しかし、国家資格の有無は、自身のキャリア形成や就職・転職に影響します。これから和菓子職人を目指すなら、学生時代に取得しておきたい資格といえるでしょう。
菓⼦製造技能⼠
菓子製造技能士の試験を受けるためには、一定の実務経験が必要です。2級の場合は2年以上、1級の場合は7年以上の実務経験が求められます。ただし、厚生労働大臣が指定した専門学校などを卒業しており、在学中に関連学科を800時間以上修了している者は、実務経験不要で2級を受験できます。
菓子製造技能士の資格を取得するメリットは多岐にわたります。技術の証明になるだけでなく、キャリアアップに役立つこと、製菓衛生師の知識が活かせること、職業訓練指導員免許を取得する際に有利になります。
まとめ
https://www.nihon-kashi.ac.jp/taiken
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