美しいお菓子を作る意味とは?味覚と視覚の関係

お菓子は美味しいだけではなく、「美味しそう」に見えることも大切です。こちらでは、味覚と視覚の関係についてお話しします。
■味覚は視覚の影響を大きく受ける
少し複雑な話になりますが、人間が感じる味覚は食べたものそのものの味だけによって決まるわけではありません。人間が持っている感覚が相互に作用して、感じる味が決まります。特に味覚への影響が大きいと考えられているのが視覚です。
例えば、同じ味の食べ物でも、色や盛り付けなどの視覚要素によって実際に食べたときの味がまったく異なります。食べ物の外観によって、食べる前から味が想起されることもあるでしょう。国や文化によって異なりますが、日本人であればお菓子を見たときに紫色はぶどう、黄色は柑橘系、ピンクはピーチ味というような、色から味を思い浮かべることが多いのではないでしょうか。
また、お客様に料理を提供する場合は、料理そのものの味が良いのはもちろんのこと、「美味しそう」に見えることもとても大切です。人間は本能的に、あるいは過去の経験から見た目で「美味しそうかどうか」を判断します。見た目によって、お客様に選んでもらえるかどうかは大きく異なるのです。
■味覚に影響を与える視覚要素
味覚に影響を与える代表的な視覚要素として、以下のようなものが挙げられます。
・焦げ
適度な焦げ付きは香ばしさなどをイメージさせます。そのため、一部の料理では意図的に焦げを付けることがあります。
・ツヤ
ツヤからは、新鮮さやみずみずしさなど、ポジティブなイメージを持つ人が多いようです。味への影響が小さいとしても、手間をかけてツヤを出すことがあります。
・色
特にフルーツの味を強く印象付けるために、色が活用されます。グミやキャンディーなどは、色による印象付けが行われている代表的なお菓子です。
・盛り付け
当然ながら、総合的にデザインされている料理と雑に盛り付けられている料理では印象が大きく変わります。見栄えを意識した盛り付けも、料理人の代表的な仕事です。
■お菓子の見た目を整えるのもパティシエの仕事
上述したように、料理人は味だけではなく、見た目が美味しそうに見えるように料理を作る必要があります。パティシエは、料理人のなかでも特にその傾向が強いといえるでしょう。
また、近年はSNSの影響により、写真映えするお菓子の人気が高まっています。見た目が美しいお菓子や、独創的なお菓子が作れば、SNSを通じて一気に話題になるかもしれません。
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